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◆HASSELBLAD 553ELX <4>

NASA-fc2.jpg

 (↑写真:HASSELBLAD社のカタログから)

 

アポロ11号が月面着陸ミッションを行ったのが1969年、NASAはHASSELBLADの500ELからミラーなどのレフレックスファインダー系を外し、ピオゴン60mm/5.6という特殊なレンズを付けた「スペースレコーディング・カメラ」(上写真)と、NASA仕様の500ELにプラナー80mmとゾナー・スーパーアポクロマート250mmを月に送り込んだ。

この時、撮影済みのフィルムだけが地球に持ち帰られ、3台のHASSELBLADカメラは月に置き去られて来たという…さらに、(別のミッションで)船外活動中に飛行士の手を離れてHASSELBLADが一台、宇宙空間を流れていったらしい…「宇宙空間を漂うハッセル」…いかにもこのカメラのイメージにピッタリだ。

ちなみに1965年以降、約150台の500ELがNASA仕様として多種多様に改造されたという。

 



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 (私の553ELXは1992年製である。プラナーCF80mm/2.8T☆が付いている)

 
ELシリーズはいわゆるモータードライブであるのだが、巻き上げ速度は遅い1.3コマ/秒である。
メーカーの技術者の話によると、「早くは出来るがそうすると静電気がフィルムに走ってしまう」という事らしい。120タイプのフィルムは紙のリーダーペーパーがあるせいのようだ。
220タイプや70mmフィルムならば問題ないのだろうか…聞き漏らしてしまった。私がこのボディを入手したのは、500ELからミラーが大型になって長焦点レンズのケラレが解消された為である。

スタジオで120mなどのレンズを使って商品撮影をしている時にファインダーの上が1/5ほどもケラレて見える事は問題がある。(ルーペを使わなければ1/10程度であり、撮影されたフィルム上でケラレは当然無い)

人物撮影などの場合はモーターによってフィルムの巻上げとミラーの復帰がされるので、ジックリと被写体に注意を集中させやすい効能もある。また、このモデルから普通の単三乾電池を使えるようになった。
従来の専用ニッカドバッテリーは高価な割りに問題が多く、ロケなどには持って行く気が起きなかった。

 

 


AnselImogen.jpg

↑巨匠A・アダムスもHASSELBLADを愛用していた。
アダムスが嬉しそうに抱えているのはプラナーC100mm/3.5レンズ付きの500ELと思われるが、彼の代表作の一枚『ハーフドームの月の出』はヨセミテ公園で500Cにゾナー250mmで撮影されている。ハッセルは月との相性が良さそうだ。

 


_MG_4722a.jpg

↑の写真で553ELXに付いているレンズはプラナーの120mmだが、CFタイプになって鏡胴デザイン変わり、レンズ開放値もf5.6からf4と一段(1EV)明るくなっている。スタジオストロボのアンブレラに反射させて暗くなったモデリングランプでピント合わせする場合、一段明るいレンズはとても助かる。



yasi-b.jpg

『椰子』(沖縄の自然)
屋久島に行ってみたい…


三脚嫌いの私が重い553ELXを持ち出す時は、ロケで長焦点レンズを使う時にレンズとのバランスと安定感を求める為だ。地方でバッテリーが切れても単三電池ならどこでも手に入る。

 


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『1/f ゆらぎ』月の引力が地球の生体リズムをつくっている…
(コンセプチュアル・アートを気取って?…笑、1.3コマ/秒で波のリズムを撮ってみた)

 

 

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  ↑HASSELBLADカメラシステムの素晴らしい点は、年代の異なるアクセサリーが全てピタリとフィットするところにある。70年代のHC-4プリズムファインダー、80年代のゾナー250mmレンズ、90年代前期の553ELXボディとレンズシェードに、90年代後期のフィルムパックが組み合わされており、使用に何の問題も無い。

 

 



砂浜+Mのコピー

 

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テーマ : ★カメラ&レンズ・機材
ジャンル : 写真

◆Newyork1982 by Monochrome 

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27年前、僕が初めてNewyorkに降り立ったとき

そこには(頭の中の)見慣れた懐かしい風景があった

僕は米軍払い下げのだぼだぼの野戦ジャケットの下に

Nikonを左右の肩からぶら下げてマンハッタンの街を歩いた

脇の下を異様に膨らませたクルーカットの東洋人に

すれ違うニューヨーカーは眼差しを避け道を譲った

当時のNewyorkは危険だと言われていた

ハーレムやバワリーSTやサウス・ブロンクス(は絶対)は足を踏み入れるなと…

それで、そんな風体で歩く事にしたのだった

長い時間カメラを構えるな、立ち止まるな…

あらかじめ画角や露光と距離を概ね決めておいて…

ファインダーでフレ-ミングし、露出とピントを微調整したら

ワンカットかツーカットを素早く撮って移動した

撮られた相手がもし気付いても、その時にこちらはもう歩き出している

レンズは35ミリに28ミリ広角2本と105ミリに180ミリの長玉2本、フィルムはTRI-XとPLUS-X

 

 

名称未設定4b

 写真はそもそも現実のコピーであり

そのコピーをコピーしうるメディアである事に特質がある

写真家の個性は、コピーのためにどの現実を選択し

いかにそれと関ったかの表像に

かろうじて積極的な存在理由を持つにすぎない

 

 

名称未設定6b 

アメリカは貿易で破れ、製造業が衰退した

失業者は戦後最大規模といわれ

FBIはおとり捜査で日立と三菱の社員を

IBMへの産業スパイとして逮捕し

手錠を掛けたビジネスマンをTVカメラの前で引きづり廻した

アメリカがイライラしていた

日本はバブル(景気)に踊り始めた

 

 

名称未設定 1b

 目撃のための写真家による、一見リアルで忠実な記録は

背を向けた自由の女神とおびただしい東洋人の観光客を写している

実像を通じても、ある種の視覚的イメージはつくられる

いわゆる”コンテンポラリー”(フォト)とは

本来、”共同”とか”一緒”といった意味を持つ(写真)のである

 

 

名称未設定 2b 

大量の対極にあるものは、少量であり、その極限は1だ

当時のNewyorkにおけるオリジナル・プリントへの回帰現象は

大量主義へのアンチテーゼとして始まった

たった一枚(写真)からの、たった一ヶ所でのコミュニケーションなのだ

コミュニケーションというものを、自分自身の手の中に取戻すこと

自分自身の内面世界に、自分自身に会いに旅立ったことがある人間なら

自分の表現行為が、先ず第一に自分自身に対してなされるのだ

・・・という事を知っているはずだ

 

 

名称未設定5b

例えば映画でしか見たことのないような日本人が描くアメリカ人へのイメージ

ブルース・ウェーバーはモノクローム写真で80-90年代の気分を表現した

彼の描くアメリカ人の理想像が、カルバンクラインのアンダーウェア・ラインのコンセプトと一致した

この時代のファッションと写真の幸せな結婚がここにある

ラルフ・ローレン、ディオール・オム、コム・デ・ギャルソン、アバクロンビー&フィッチ、ボルボ

…なども、ブルース・ウェーバーの写真を求めた

Newyorkにはチャンスが転がっていた… 

 

 

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70年台半ばにウォール街に彗星のごとく登場したマイケル・ミルケンという一人の天才

ジャンク債を大量に集めてパッケージ商品を企画した

クズでもたくさん集めてリスクを分散すれば利回りの魅力が勝ることを彼は発見した

黒板理論の金融工学がこれを後押して、実際に運用させる

欲の為に壮大な博打が膨れあがった

リスク分散のためにグローバリゼーション(経済)を世界に押し付けた

この時期に01年の9・11テロや

08年の金融破綻の芽が仕込まれた

 

 

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スタインベック文学のNewyork

ライザミネリの「Newyork Newyork」は77年のアメリカ映画

ビリー・ジョエルが歌う「ニューヨーク54番街」や「ニューヨーク物語」

若く野心があるならNewyorkはもしかしてチャンスのある街

老いても住み続けるにはコストとリスクを受容れる

それでも魅力に富んだ囚われの街

彼らはその後どうしているだろう

 

 

 

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ニューヨーカーたちの帰宅の時間

彼らのほとんどは郊外の自宅からマンハッタンに通う

「島」に住むNYっ子はSONYやPanasonicをアメリカ製品だと思っている

だって、俺が生まれたときからブロードウェイに広告塔が建っていたんだゼ

 

 

 

名称未設定11b

ロックフェラーセンタービルの窓を開けてミッドタウンを見下ろす

ミスター・ロックフェラーも同じ景色を眺めたのだろう

7年後に日本企業が買収してアメリカ人の反感を買う

当時の日本の資金はアメリカ全土が買えるなどと嘯(うそぶ)いていた

マンハッタンに住むのは金持ちか貧乏人

市の財政は火のくるまで、警察官が増やせずに治安は悪化

クイーンズボロー橋の路面に開いた穴も補修できず

多くの橋が未補修で耐用年数越え

「いつ落ちても不思議では無いが、今すぐに落ちるとは思わない」

…とは市の道路管理責任者の苦しい言い訳か

 

 

昨年の9月にサブプライムローンを引き金に危機を迎えたアメリカ経済ですが、今回はこの時期81-82年よりも更に厳しいそうです。この時の僕はそんな事もあまり意識せずに、憧れだったNYを堪能しておりました。

 

 

IMG_5291b.jpg

現在手元に残してある35mmフィルム一眼レフ。

左から「Canon EOS-1nHS」 「NikonF2フォトミック」 「CONTAX RTSⅢ」 

Nikonはフィルム巻き上げ・フォーカス手動、露出も手動
CONTAXはフィルム自動巻上げでフォーカスは手動、露出は自動可
Canonはフィルム巻き上げ・フォーカス・露出もすべて自動


はからずも時代の違う一眼レフカメラの進歩?の経過が標本されている…と思う
ストラップが付いている、CanonとCONTAXは現役

写真でボディに付いている各レンズはすべて「50mm/f1.4」

 

◆ニコンF2フォトミック

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 82年頃常用していたのはモーター付きのF3だったけれど

Newyorkにはフィルム巻き上げモーター無しのF2を持って行った(F2モーターは凄く重い)

F2はすべての感触が若干硬いけど、手巻きの感触はF2のほうがカッチリとして好きだった

それにファインダーがF3よりもクリアーに見える 

それにコイツは露光計以外は電気を一切使っていないし
少々ぶつけても「頑丈さではピカイチ」だ

FからF4まで使った経験から言えば、NikonはF2が一番!

 

 

今のデジタルデータが27年後にフィルムのように再現できるのか?

劣化・破壊・消失をクリアしても、ファイル互換性は保障されるのか?

次回はコダクローム(カラー)で撮った当時のNewyorkを考えています。 

 

テーマ : モノクロ
ジャンル : 写真

◆Sinar-P 【最後のビュー】<1>

仕事で使ってきた4×5in版のビューカメラです。
メーカーはジナー(SINAR=シナー)と呼ばれるスイス製のカメラです。
レンズとシャッターは別々にセットし、主にスタジオで使用します。
ケーブルが色々と付いているのは、普通のカメラならば当たり前の事なのですが、いちいちカメラの前に廻らなくても、シャッターや絞りの操作がピントグラス側で行えるような仕組みになっています。

当時はセットでウン百万円した機材ですが、デジタル全盛の現在ではほぼ機材置き場で埃を被った存在かもしれません。
ただ、このカメラはいわゆる「アオリ」という技術を使う事によって、ピント面や形(パースペクティブ)の修正などがおこなえます。したがって、現在でも建築やアオリの必要な撮影などの分野では使用されています。

img_1591803_44593160_0.jpg

 

suntory+aのコピー

 
 ↑ ストレートに近い撮影ですが、照明は右側からの面光源一灯で、アオリは垂直調整(ライズ)を行っています。


img_1591803_44593160_1a.jpg

 
 ↑ スタジオで食材とバックの風景を一枚のフィルムに合成した写真です。
最初の写真と同様15年~20年前のポジ・フィルムからスキャンしました。
地方の中小食品加工会社の商品カタログの表紙(イメージ)用に撮影したものです。

デザイナーがラフスケッチで起こした状況は、「地中海の港町を見下ろすホテルのベランダから…」というものでした。
これをストック・フォト・ライブリーから借りてきたバックに使用する風景のポジ・フィルムと食材をスタジオで一枚のフィルムに撮影で合成したものです。

現在のデジタル・システムならフォトショップなどのソフトを使用して簡単に作れる画像ですが、当時はデジタルなどありませんでしたから一発物の職人技です・笑。撮影が終わって夕方ラボにフィルムの現像を出して、近くのバーで酒を飲んでいても現像があがるまで(約二時間)は心配で酔えませんでした。

撮影代もですがフードコーディネーターのギャラも安かったので、ワインがドイツものじゃねーかとか、並べ方やおお葉を使うのは日本的だとかの突っ込みどころは満載だと思いますが、商品(自体)はガラス容器の中の「イカの塩辛」や「海草の佃煮」などですから…(笑)。

地味~な仕事です…

テーマ : 写真家の仕事
ジャンル : 写真

◆HASSELBLAD 500C/M <3>

ハッセルブラッドは中型カメラ(ブローニーサイズ)としてはコンパクトなカメラです。
1948年の最初のモデル1600F(フォーカルプレーン・シャッター)から外観が、1957年からの500シリーズでは操作方法も変わらないモデルですが、使用者側でそれなりの操作方法を会得する必要なところがあり、後発のカメラのメカニズムに対して旧態依然とした部分もあります。(500シリーズは全てレンズ・シャッター)

かの有名な立木義浩氏は、「プロは身体をカメラに合わせてゆくんだよ。プロは現有勢力でなんとかしようとする。アマチュアは文句をいう。でもアマチュアのクレームのおかげで機材の進展がある」と看破しています。
確かに…プロ用機材はコンシュマーモデルに比べてあまり進歩しません。
それはプロの場合、使いやすさよりも絶対的な性能の優位さやシステム性の確保と発展性を望み、長期間使い続けることによる弱点の克服を会得してしまっているからだと思います。従って耐久性や操作確実性の改良は望んでも、むやみな変化は求めない保守的傾向があると思います。

なんと言ってもこのモデルはHASSELBLAD 500シリーズのベストセラーモデルで、1970年から503CXにモデルチェンジする1988年まで18年間不変のモデル名でした。

HASSELBLAD 500C/Mは「M」が示す通り500Cのモデファイド(Modified)したもの、つまり改良型という意味です。外観上では変わらず、スペック上ではフォーカシング・スクリーン(焦点版)がユーザー側で交換可能になった程度しか判りませんが、年代によって内外共に細かく変わっているようです。

 


500cm-1fc2.jpg

 (500C/MにプラナーC100mm/3.5付きで、クランクタイプの巻上げに変えてあります)

 


ボディよりも外観上の変化が大きかったのはZiss製のレンズの方かもしれません。
レンズのコーティングがT☆(ティースター)と称するマルチコーディングになり、逆光時のハレーションが少しはマシになりましたが、レンズが大きくボディがタイトなために余分な光を拾いやすく、ボディの内面反射を抑えるのが難しかったと思います。従って仕事では蛇腹式のプロシェードという大型のレンズシェードは必需品です。
レンズがT☆になると同時に鏡胴は黒の塗装に変わってしまいました。

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 (スタジオでのモデル撮影でよく使用するゾナーC150mm/4T☆のレンズが付いています。フィルムパックのフィルム巻き上げもクランク式に変わっています。)


◇「黄金比」と呼ばれる数学的な値は皆さんもご承知かと思いますが、これは「ギリシャの建築家や彫刻家も自分達の作品にこの比率を取り入れています。有名なギリシャの彫刻家フェイディアスも黄金比を利用しています。パルテノン神殿の各部の比率にも、黄金比は用いられています」。
黄金比は調和と関係しており、それは二つの線分の長さの理想的な比率であり、芸術や建築に適用された場合にもっとも美しい視覚的効果を生みます。縦横の比が黄金比の関係になっている長方形は、どんな長方形よりも視覚的に美しいとされています。
その値は1:1.61803398とされています。

書籍や雑誌の縦横比やB5やA4などのデザイン比率も、この黄金比(約1:1.6)に近いものです。
したがってHASSELで6×6cmの原版を撮影しても、印刷の場合、デザインやレイアウトで左右か上下がトリミングされて長方形の写真になる場合が多いのです。

darkroom-1fc2

 

darkroom-5a.jpg

↑上のノートリミングの写真ですは、右上に建物の梁やモデルの足元に敷いた光を乱反射させる為のステンレス板などが写っています。撮影時には当然、これらのものをトリミングして仕上げる事を前提に撮影しているわけです。


アスリート-5のコピー

 
(優れたハッセル使いのRobert Mapplethorpeを気取って…?)

↑『肉体の黄金比』と共に…自然界に見られる形には、どの部分をとりあげても、そこに全体の形態的特長が縮小された形で反復されるという性質があります。たとえば、シダの小さな葉を見ると、その一つ一つはシダ全体の形をなぞっていることがわかります。
自然界の創造物たる人間の肉体も、このような基本的パターン「フラクタル」をなぞっており、我々はそれを美しいと感じるのでしょう。

テーマ : 写真家の仕事
ジャンル : 写真

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